2019.11.21 弁護士ブログ
相続財産の管理
先日、足掛け3年にわたって担当してきた相続財産管理業務がようやく終了しました。
これは、金融機関が、被相続人所有の不動産を競売にかけようとしたところ、相続人全員が相続放棄して相続人がいなくなったために、形式上、競売の相手方となる者が必要になったという事情のもと、金融機関に依頼されて相続財産管理人に就任したというものです。
競売自体は特に問題なく進みましたが、詳しく遺産を調べてみると、該当不動産以外にも、未登記の空き家や被相続人の親名義のままになっている土地、細分化された田畑などが多数あることが判明しました。
相続財産管理人の主な仕事は、これらの相続財産を売却してお金に換え、相続債権者に弁済していくというものですが、今回の件では処分することが困難な遺産ばかりであり、換価作業はなかなかに難航しました。
上記の空き家については、他人の土地に建つ築50年以上の廃屋なので買ってくれる人はなく、解体・撤去しようにも、相続財産からは費用を捻出できず、八方塞の状態。最終的には、相続財産が大幅な債務超過となっていましたので、相続財産に対する破産手続を申し立て、破産管財人に相続財産を引き継いで、業務終了となりました。
相続問題、空き家問題の難しさを改めて感じさせる事件でした。