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相続・遺言

高齢者の拘束問題と施設の苦悩

先日の信濃毎日新聞に、病院・施設における高齢者の拘束問題に関する記事が掲載されておりました。目にされた方も多いのではないでしょうか。


長いこと家族のため、会社のため、みんなのために働いてきた高齢者。尊敬をもって接すべきであり、その人格・人権は十分尊重されなくてはなりません。


ただ、認知症やその他の心身の不調により、徘徊や、医師の指示を守らないなど、不穏な動きを取る高齢者がいらっしゃるのも事実です。

万が一、寝返りの時にベッドから落ちてしまったら。

寝ている間に点滴や呼吸器などを外してしまったら。

廊下を歩いているときに転んでしまったら。

大変な事故になってしまう。実際、そういう介護事故はとても多いのです。私自身、何度も、そういう介護事故を扱ってきました(施設側としても、被害者側としても)。でもそれを防ぐために、常に眼で監視できるほどの人手もない…。こうなると、どうしても施設側としては、高齢者をベッドに拘束してしまいたい、という要請が出てきてしまいます。
安全確保と、人権人格の尊重のはざまで、心ある職員は苦悩されることになってしまいます。
先日の社説では、「身体拘束廃止」を01年に宣言した三才山病院にも言及されていました。病院の試みには本当に頭が下がります。今後の取り組みに期待したいところですね。

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