私は、弁護士会の法教育委員会という委員会に所属しているのですが、先日、栄村にある栄中学校で行われた模擬裁判授業に参加してきました。
これは、中学3年生の社会科の授業の一環として行われているもので、長野県弁護士会の弁護士が裁判官、検察官、弁護人、さらには被告人や証人に扮して、教室で模擬刑事裁判を実演し、生徒さんには裁判員という立場から、実際に尋問をしてもらったり、判決を考えてもらったりするというものです。
栄村は長野県の最北端にある村で、しかも今回訪問した栄中学校は、少し歩けばもうそこは新潟という県境に位置しています。長野市からだと、車でも2時間近くはかかり、全校生徒でも30名程度というとても小さな学校です。
当日私は弁護人役を担当しましたが、裁判員である生徒さんの判決は僅差で無罪。 弁護士という立場からすると、模擬裁判であっても無罪を獲得するのは気分のいいものです。
しかし、模擬裁判授業で大切なのは、結論云々ではなく、結論に至るまでにどのような思考をたどったかということです。今回の生徒さんは皆しっかりと自分の頭で考え、中には本職の法律家から見てもなるほどと思う意見を述べる方もいました。たいへん有意義な機会だったと思います。