2018.6.1 弁護士ブログ
司法取引スタート
本日6月1日、司法取引を内容とする改正刑事訴訟法が施行されました。
今回から導入される司法取引とは、一言でいうと、他人の犯罪解明に協力する見返りとして自分の犯罪についての処分を軽くしてもらうというものです。
今回導入される司法取引にはアメリカ等で広く導入されているものとは異なるいくつかの特徴があります。
そのうちの一つは、対象となる犯罪が、情報提供をする被疑者の犯罪、情報の対象となる他の者の犯罪共に限定されているという点です。
具体的には、贈収賄、詐欺などの刑法上の罪、組織犯罪処罰法違反、覚せい罪取締法違反、銃刀法違反、特許法違反、貸金業法違反の他、脱税、談合、カルテル、インサイダー取引などが挙げられます。
もう一つの特徴としては、情報提供の対象となるのが「他人の刑事事件」に限定されている点です。つまり、自分の犯罪について自白して自分の処分を軽くしてもらうという取引は含まれていません。
司法取引は、今後捜査機関にとって事件全体の真相解明に大きな役割を果たしていくこととなるでしょうが、他方で、無実の第三者が巻き込まれて冤罪を生む危険性が強く指摘されています。