前回は過払い金が発生する理由を解説しました。では、なぜこのような過払金が数多く発生しているのでしょうか。今日は、いわゆるグレーゾーン金利についてご説明します。
前回ご説明した通り、利息制限法には法定利率が定められており、これを超える超過利息の支払いは無効となります。それにもかかわらず、貸金業者は法定利率を超過する約定利率での貸し付けを続けました。
なぜなら、旧出資法では上限利率を29.2%(平成12年6月施行)を超過した場合にのみ刑事罰を科すこと定めており、利息制限法の法定利率を超過する貸し付けをしても、29.2%以下であれば刑事罰は科されないという制度的な仕組みがあったためです。
貸金業者の多くは、かつてこの利息制限法の法定利率と旧出資法の上限利率との間で高額な金利で貸付を行っていたのです。つまり、利息制限法で決められた「白」の金利ではないが、刑事罰を科される「黒」でもないわけため、「グレーゾーン金利」と呼ばれるようになりました。