第5回目は、親権者を決める基準の「兄弟姉妹の不分離」を解説します。
兄弟姉妹は、幼いときから同じ監護環境の下で成育し、精神的に深い結び付きを有しているのが通常です。したがって、子どもの心情の安定のためには、兄弟姉妹を分離すべきでないと考えられています。
これまで担当してきた案件で、兄弟姉妹で親権者を異にした例はほとんどないことからすると、親権者を決定する際の前提条件とさえ言えるでしょう。
そのため、特段の事情もなく、安易に、男児は父親に女児は母親にとか、長男は父親が引き取り次子以下は母親が育てるなどという決め方をすることは望ましくありません。