弁護士法人はるか|長野法律事務所

依頼人の過失を保険会社提示の50%から20%に減らして和解が成立した事案

事案まとめ

案件概要

Aさんはコンビニで停車していたところ、車と衝突しました。相手の保険会社はAさんには50%の過失があると反論してきましたが、当事務所が保険会社と粘り強く交渉した結果、Aさんの過失を20%まで減らすことができ、無事和解が成立しました。


関係者

Aさん:依頼者,過失0%を主張

保険会社:Aさんには50%の過失があると主張

相談時

 コンビニで買い物を終えたA さんは、駐車場で自車をバックで区画から出し、5秒間停止していたところ,同じくバックで出てきた車と衝突しました。
コンビニの防犯カメラには停止中の自車が写っていたのをA さんは警察で確認しました。
A さんは、自分は停車中であったのだから自分に過失は無いと考え、自らの過失0%を主張していました。
しかし、相手側の保険会社にはAさんには50%の過失があると反論されました。
そこで、A さんは自身の過失割合を減らしてほしいと,当法律事務所にいらっしゃいました。

 

解決のポイント

①過失相殺とは?

加害者が故意に事故を引き起こした場合に、その責任を加害者が100%負うのは当然のことといえます。

しかし、事故の多くは加害者の過失によって生じたものであり、その中には被害者の落ち度が大きいものもあります。このような場合にも加害者が被害者の損害全てを負担するのは不公平である、という観点から過失相殺という制度が設けられています。


「被害者に過失があったときは,裁判所は,これを考慮して,損害賠償の額を定めることができる」(民法722条2項)


裁判になった場合には過失相殺によって、加害者の賠償額は、被害者の過失の割合に応じて減額されます。裁判では加害者が被害者の過失を主張・立証し、被害者がこれに反論していくことになります。
この仕組みは裁判においてだけでなく、保険会社との交渉においても重視されるルールです。


②駐車場内の事故の特殊性

駐車場内の事故は、通常の路上での事故とは異なる特殊性があります。

駐車場は通常の道路と異なり走行ではなく駐車を目的とする場であり、通路が狭く、見通しが悪く、近距離での車や人の出入りが予定されているなどの事情があります。そのため、一般の道路よりも高度の注意義務が相互に課され、駐車場内での交通事故の過失割合は50:50と算出されることが多いと言えます。


そのため、本件においても相手方の保険会社は50%の過失を主張したのでしょう。

当事務所の活動と解決

本件では第一にAさん・相手方両車の位置関係、双方の後方の見通し状況を明らかにし、Aさんの過失を低減する必要がありました。

そこで私達は警察に対して弁護士法に基づく照会を行い、本件の捜査記録を取り寄せ、両車の後方の見通し状況及びA さんの車の事故によるへこみなどを確認しました。Aさんの車のへこみからは相手方の車両がどの方向からどのように衝突してきたかを推測することができました。

これらを精査すると、相手方は、Aさんの車を容易に確認できたにもかかわらず、後方確認を十分にせず、勢いよくバックをしたことが明らかになり、Aさんの過失20%と立証できる可能性が高いとの結論にいたりました。

相手側の保険会社の態度は頑なでしたが,資料を提示し粘り強く交渉した結果,過失20%での和解成立に至ることができました。

 

担当弁護士のコメント

一般の方が自己に有利な過失割合を立証するために,資料を取り寄せ,分析をし,専門家たる保険会社と交渉することは,難しい面が多々あるかと思います。また,これに伴う不安も大きいのではないでしょうか。

当法律事務所には,交通事故処理に精通している弁護士がおりますので,有利な資料の取り寄せにとどまらず,依頼者様のお気持ちに少しでも寄り添うことができるよう日ごろから心がけております。