2019.8.5 交通事故
損害賠償請求書の事例-事例3
XXXX保険株式会社 御中
弁護士法人はるか
1.治療費:894,919円
合計 HXX.X.XX~HXX.XX.XX 284日(実89日)
894,919円
2.通院交通費:16,560円
3.傷害慰謝料:1,109,000円
通院治療期間284日から,9カ月と14日となる。
赤い本別表Ⅱの基準額
① 通院9カ月 1,090,000円
② 通院15日 (113万円―109万円)×14/30=19,000円
①+②=1,109,000円
4.後遺障害逸失利益:2,063,939円
・後遺障害等級 頸椎の神経症状14級9号と腰椎の神経症状14級9号から併合第14級
・事故前年の平成29年給与源泉徴収票より7,133,765円を基礎収入とする。
・労働能力喪失率14級より5%
・労働能力喪失期間 7年間・・・・ライプニッツ係数5.7864
被害者は建設業の現場を担当する社員であるため,本件事故に因る後遺障害の頚部痛,腰部痛の障害により,現場作業の仕事が事故前のようにできなくなり,昇給,ボーナスの評価が下がった。
よって,労働能力の喪失は明確であり長期に続くと判断される。
労働能力喪失期間については,下記の通り判断した。
赤い本では,「むち打ち症の場合は,12級で10年程度,14級で5年程度に制限される例が多く見られるが,後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきである。」記載されていることから,14級は5年が限度ではないことを示唆している。
また,現在の自賠責保険の後遺障害等級認定では,障害の永久残存性を厳格に審査されている現状である。本件事案は永久残存性が認められ併合第14級と認定されたのであるから,労働能力喪失期間においても十分に永久残存性を考慮すべきである。
本件事案は,頸椎捻挫後の頚部痛等の神経症状で14級9号認定と共に腰椎捻挫後の腰痛等の神経症状で14級9号が認定され併合第14級となった。すなわち2部位に14級の神経症状を残したことから,例えば頚部の神経症状14級9号の1部位のみの後遺障害と比較すれば,併合14級は二重苦を背負っていることになる。
よって,労働能力喪失期間は5年より長く認めるべきであり,残存症状・労働能力喪失程度等を考慮すると労働能力喪失期間は7年とするのが妥当である。
7,133,766円×0.05×5.7864=2,063,939円
5.後遺障害慰謝料:1,100,000円
赤い本14級基準額 1,100,000円
6.損害合計額:5,184,418円
7.既払額:894,919円
8.損害賠償請求額:4,289,499円
以上