解決事例の紹介
【相談内容】
私の父が亡くなりましたので,遺品を整理していたところ遺書が見つかりました。家庭裁判所で検認の手続きを受けて遺書を読みましたところ,弟にとても有利な内容となっていました。弟は大学を卒業して社会人となってからは実家に帰って来ては父に金の無心をしていましたので,父が弟に有利な遺言を書くことは考えられません。
また,遺書の字体も父の字と相違しており弟の字体とよく似ていました。遺言書作成日も父が心筋梗塞で入院していた期間の日付となっていました。
弟に問いただすと俺は知らないと言うばかりです。
明らかに弟が遺言を改ざんしていると認められるとのことです。
対応策を相談に来られました。
当職が遺言書と弟の書いた手紙を比較してみるとよく似ていました。
【交渉結果】
被相続人の父の妻と長男から委任を受けて,家庭裁判所に弟の相続権不存在確認を提起しました。
民法891条5号の相続人欠格事由となるのは「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し,変造し,あるいは破棄・隠匿した場合」です。
裁判を行った結果,遺書は弟の偽造であることが認められましたので弟の相続権は剥奪されました。
父親の遺産は母と長男である兄が相続することとなりました。
【弁護士からのコメント】
遺言書の偽造や変造が疑われる際には,ご自分でいろいろと考えて悩まれるよりは,まずは弁護士にご相談ください。