解決事例の紹介
【相談内容】
独身で一人暮らしの長兄が、くも膜下出血で死亡しました。長男には子供はなく相続人となるのは長兄の兄弟姉妹の３人です。
長兄の遺産は銀行預金の１８００万円だけでした。
次兄Ｃは長兄の家に度々行っていましたが，その次兄が遺言を偽造して自分に全て渡すように書いて，銀行から全額払い戻しを受けました。
そのことを後で知り，姉の私Ａと妹Ｂの二人が相続分を取り戻すためにどうしたらよいか相談に来られました。
【交渉結果】
本来であれば兄弟姉妹３人が被相続人である長兄の遺産１８００万円を３分の１ずつ相続することになります。
それを次兄が遺言書を偽造して全て取ってしまったわけですから取り戻す必要があります。
共同相続人の２人から委任を受けて裁判所にＣの不当利得の返還の訴訟を行いました。
訴訟の結果，次兄Ｃの不当利得分１２００万円の返還を受けることが出来ました。
姉妹２人は各人の相続分６００万円ずつ取得して適正な遺産分割が出来ました。
【弁護士からのコメント】
本件のように相続人の中の１人が遺言を偽造し，勝手に遺産を取ってしまった場合には，侵害を受けた相続人は，侵害した相続人に対して，不当利得返還，不法行為に基づく損害賠償請求，遺産確認請求などの訴訟を行います。