解決事例
【相談内容】
私は肺がんで病院に入退院を繰り返しているが,妻はその間不貞行為を繰り返していて,小学生の娘と中学生の息子の世話もしないので,家事は私の母親が毎日来て手伝ってくれている。最近妻は不貞相手と同棲して,離婚したいとの申し出でがありました。
私は肺癌なので死亡する可能性もあるので,妻に対しては遺産を残したくないのでどうしたらよいか相談に来られました。
【交渉結果】
本件は推定相続人の廃除の制度を利用することです。
それは,廃除事由があるとき,被相続人の意思により,推定相続人から相続権を剥奪する制度です(民法892条)。
廃除事由としては,被相続人に対する虐待や侮辱,著しい非行がある場合です。
本件の場合も被相続人が肺癌で治療中に,妻は不貞行為を繰り返すばかりでなく,子どもの養育も放棄して,挙句に不貞相手と同棲し離婚を申し出た行為は,推定相続人の廃除事由に該当すると判断できます。
そこで,相談者の夫から委任を受けて家庭裁判所に廃除の申し立てをしました。
家庭裁判所の審判で廃除が認められました。
【弁護士からのコメント】
廃除は遺言によってもできます。その場合は遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をします(民法893条)。