第2回目は、親権者を決める基準の「現状尊重の原則」を解説します。
これは、「監護の継続性」とも説明されます。子どもの心身の安定のためには、これまで育ってきた状況・状態を尊重するのが望ましいという考慮があるのでしょう。
子どもが幼い場合は、人的な側面が重視され、子どもの出生時からどちらの親が主として子どもの監護に当たっていたかが決定的となります。
他方、子どもがある程度大きい場合には、学校や友人関係といった、子どもを取り巻く生育環境が重視される傾向があります。
調停や裁判で親権者を決めるにあたっては、この現状尊重の原則の占める比重が大きいように思います。
次回は、「親権者を決める基準について③―母性優先の原則」を解説します。