弁護士法人はるか|長野法律事務所

出前で架空の注文をして配達させたら、偽計業務妨害罪にあたります

 先日、某有名アーティストのレコード会社にいたずら電話を約1300回かけたとして、警視庁は、容疑者を偽計業務妨害の疑いで逮捕したというニュースがありました。


 容疑者は容疑を認め、「仕事が見つからず、著名人にケンカを売りたかった」と供述しているということですが、自宅や携帯電話から殺人予告をしたり、無言電話を繰り返しかけたりしてレコード会社の業務を妨げた疑いがもたれています。


 さて、「業務妨害罪」という言葉、よく耳にしますが詳しいことはわからない方が多いのではないでしょうか。


 刑法233条では「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。また、次条234条では「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。」と規定されています。

このように刑法では妨害態様によって業務妨害を区別し、前者を「偽計業務妨害罪」、後者を「威力業務妨害罪」と呼んでいます。ほかにも、業務妨害に対する犯罪には「公務執行妨害罪」(95条)もあります。


 なお、偽計業務妨害罪にあたる例としては、出前で架空の注文をして配達させたとか、スーパーの売り場の菓子パンに縫い針を混入させたという事例が代表的です。